■波紋よぶ小佐古内閣参与の辞任

放射線防護の専門家として内閣官房参与に任命されていた小佐古敏荘東大大学院教授が4月29日、放射線量基準をめぐる政府の対応を「場当たり的」と批判して辞表を提出したことが波紋を広げています。放射線量や避難区域をめぐって何度も振り回されてきた福島県内では政府への不信がさらに高まっています。
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小佐古氏は辞任理由と思われる文書を配布しました。以下は、そこからの一部引用です。
「今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mjvです) 、この数値の使用は慎重であるべきであります。
 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。」
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さて、この小佐古氏について次のような訴えがあります。
長谷川千秋(非核の会・京都 常任世話人、元朝日新聞大阪本社編集局長)氏のもので次のような話が公開されています。
「第2、3月16日、枝野幸男官房長官が内閣官房参与の1人に小佐古敏荘・東京大学大学院教授を任命したと聞いて、わが耳を疑った。首相官邸ホームページにアクセスすると「官房長官記者発表」として人事が出ていた。「小佐古氏は放射線安全学の分野において優れた識見を有しておられることから、今回の原子力発電所事故に関して、総理に対し情報提供や助言を行っていただくことといたしております」と任命の理由が述べられていた。
 菅直人首相はご存じでないかもしれないが、この人のことは、原爆症認定集団訴訟・近畿の裁判を傍聴した仲間ならみな知っている。原告全員勝訴となった大阪地裁での1審で、被告・国側が唯一立てた証人として、DS86(※)の「妥当性」にしがみつき、原告弁護団から完膚無きまでやりこめられた人物(当時東大原子力研究総合センター助教授)である(京都原爆訴訟支援ネットのホームページ「原爆症裁判傍聴日誌⑫」参照)。こんな人の「情報提供や助言」によって市民の命と暮らしを最優先にした「原発震災」対策が遂行されるとは到底思えない。被爆国ジャーナリズムは「権力監視」機能をしっかり発揮してほしいものだ。」
※1986年線量評価システム:DS86=広島・長崎の被爆現場の放射能による環境汚染を極端に過小評価
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 他のブログにも同じような記事が見られ、中には小佐古氏の御用学者ぶりへの怒りを表したものもありました。
 とすれば、この人物すらあまりのいい加減さに辞任表明せざる得ないいまの民主党内閣の原子力発電所事故対策というのは…一体なんなのでしょうか?。(;_;)
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