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2018年11月18日

災害から命を守る~川と地域とまちづくり

 

今年の西日本豪雨や台風21号をはじめ、京都でも毎年のように台風・豪雨災害が頻発し、気候のステージが変わったとも言われる現状のもとで、これからのまちづくりを考える上でも、防災の問題に正面から取り組むことが必要になっています

 

1118日(日)、当懇談会の2018年度の総会開催にあわせ、綾部市林業センターで開催した「防災とまちづくりを考える学習交流集会」での講演内容について紹介したいと思います。

 

講師には、宮本博司さん(元国交省河川局防災課長、元淀川水系流域委員長)をお招きし、標題のテーマで、水害からどう住民の命を守るのか、どのような対策を取ればいいのか、住民がどのように取り組んで行けばいいのかなどのお話をお聞きしました。

 

宮本さんは、旧建設省に入り河川行政一筋に歩み、全国のダム建設の計画・審査を行い、ダム建設を推進する立場にもあったそうですが、とあるダム建設現場に出て、そこに暮らしている人たちの苦しみを知り、地域に深刻な分断をもたらす「ダム建設ありき」のやり方に疑問を持ちます。そうした経験から、自身が立ち上げに関わった淀川水系流域委員会では、①委員を国交省は選ばない、②事務局は国交省から独立、③情報公開を徹底するという「淀川方式」を生み出し、原案を提示せず、議論を積み上げてまず「現状を共有」する、さらに検討を重ね「課題を共有」し、一緒に対策を積み重ね考えていくことで、ダム建設に賛成か反対かと言った対立は起こらず、委員や河川管理者の考えも変わっていったそうです(河川工学の第一人者・京大名誉教授涙の独白のお話も!)。

 

  また、宮本さんは、治水事業の目的は、「いつ、どのような規模で起こるかわからない洪水に対して住民の命を守ること」として、「想定」に頼った治水対策を止め、「想定外」が起こることを前提に川に水を集中させない総合的な対策が必要と強調されました。

 

洪水が起こる一番の原因は堤防の決壊です。浸水で人は死なないけれど、洪水は命にかかわります。日本の堤防は多くが土と砂でできており、越水すれば一気に崩れます。堤防を補強する方法はあるのに、「ダムの効果で計画高水位を超えることはない」とダムの有用性を強調したいばかりに国は堤防補強を言わなくなっているそうです。宮本さんは、「命に関わる堤防の越水対策になぜ最優先で取り組まないのか、国の怠慢ではないか」と指摘します。

 

また、洪水を川に押し込めて防ぐという考え方だけでは限界があること、霞提など洪水のエネルギーを分散させ、桂離宮の構造がそうであるように防ぎきれない洪水を「凌いでゆく」という考え方も大事だと言われました。さらに、川の対策だけでなく、森林・農地の保全整備、避難体制、土地利用や街づくりなどを含め、各地域で住民が主体的に参加し合意を作りあげながら、災害に強い総合的なまちづくりをすすめていくことが重要と強調されました。

 

 

2018年3月15日

知事選挙にあたって声明を発表しました

 

2018年京都府知事選挙にあたっての声明

 

  2018315

 

         ふるさと再生京都懇談会 

 

 私たち、「ふるさと再生京都懇談会」は、京都を住んで良かった、住み続けたい、住み続けられる京都にしていくための活動を長年続けてきています。 

 

私たちは4年に一度の京都府知事選挙に当たり京都府民の皆さまに訴えます。

 

 今までの府政の力点は府民の生活とは無縁の開発と公共投資に片寄っていたといわざるを得ません。その陰で農林漁業、中小企業そして地域小売企業などは衰退の一途をたどってきました。その結果は荒廃した、住み続けることのできない地域を随所に生み出してきました。この傾向はこの4年の間で一層強まってきています。

 

 特に現府政は府民の強い関心のある二つの問題にも明確な態度を示していません。その一つは原子力発電所問題です。もう一つは憲法9条改憲問題です。いずれも京都府域が安心して住むことのできる場所か否かに関わる重要な問題です。 

 

このような府政の延長はもう御免です。 

 

 今回の知事選挙には「山田府政16年を継承し、加速させるアベノミクスの担い手であった候補」と「府民の命と権利を守り全力で支援する候補」とが立候補しています。 

 

 私たちは考えます。

 

 新しい知事は、全ての府民に温かい心で接し、手を差し伸べる人であってほしい。

 

 新しい知事は、これからの社会が求める環境や人権を重視し、格差を認めない姿勢をしっかりと持つ人であってほしい。

 

 新しい知事は、府民の暮らしと地域の生活を第一に考え、府民と話し合い、共同する人であってほしい。

 

 新しい知事は、京都の文化を本当に大事にし、輝きに満ちた京都再生に力を尽くす人であってほしい。 

 

 私たちは府民の皆さまに訴えます。

 

 府民の安心で安全な暮らしを第1に考え、住んで良かった、住み続けたい京都府づくりに力を合わせられる知事を今度の選挙で選ぶことを!

 

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