ふるさと再生京都懇談会 現地取材レポート-2012年3月17日(土)

再生可能エネルギーはちいきづくりの一つの力

-嵐山小水力発電所をエルハルト・シュルツ氏(ドイツ)とともに見学-

  3月17日(土)午前11時から、ドイツの環境団体BUND(ブンド)の創始者の一人で、環境保護運動家エアハルト・シュルツさんが、京都に来られ嵐山の小水力発電所を見学、嵯峨天竜寺 嵐山なか川で昼食をとりながら懇談会が行われるというので、ふるさと再生京都懇談会の取材班は、さっそくでかけてきました。よびかけは、中嶋豊さんからです。

ご存じですか嵐山の小水力発電所

-当日、嵐山の小水力発電所を案内、説明いただいたのは、嵐山保勝会 小水力担当理事の吉田憲司さんです。-
嵐山保勝会のホームページを是非ごらんください。
http://www.arashiyamahoshokai.com/akari.html

「渡月橋や嵐山周辺が夜になると大変暗いので、なんとかもう少し観光客のかたも安心して歩いてもらえるように出来ないかと言う声が、地域の声として上がってきた。」「こうしたことで行政に頼んでも、歴史的な風土である嵐山地域に街頭を設置することすらなかなかすすまない、それなら自分たちでやろうと保勝会の人たちが寄付も集め、小水力発電なら良いだろうということで渡月橋の街頭設置を実現したのがはじまりです。」嵐山の小水力発電の由来など分かりやすく語っていただきました。
 ここに設置できたのも角倉了以が木材産業をこの地につくったことが背景にあると、京都のもっと大きな歴史と小水力発電が関わっているとのお話も。地域の一つの観光資源としての位置づけも話されました。

ドイツからこられたエアハルト・シュルツさんの懇談会での発言

-シュルツさんはドイツ最大の環境団体BUND(ブンド)創設者の一人で、エコ見本市など様々な環境保護団体や運動の組織者です。今回、日本を訪問し福島視察や東京・大阪講演、高知県檮原町視察から京都の嵐山の小水力発電見学と私たちとの懇談会に参加いただきました。

 

市民の手で自然エネルギーを-ドイツでの原発との闘い

 40年の長きにわたって原発と闘ってきました。チェルノブイリ事故後、ドイツのすべての政党は一度はドイツの原発を廃炉するということを約束しましたが、ウソでした。しかし、福島の原発事故が発生し大きな影響をあたえました。もともと国民の大多数が反対という声でしたが、政府だけが推進というような形でした。

  市民はただ待つというだけでなく、自分たちで行動しました。フライブルグ風力発電所をつくったりして自分たちで自然エネルギーを広げる動きを行ってきました。現在、私たちの地域では自分たちが使う以上の140%の発電を行っています。市民の手でつくられ補助金もいっさい受けてはいません。自然エネルギーに私も投資しています。二つの小水力発電、七つの風力発電施設にお金を出しています。
 私の風力発電研究所で、全ドイツの65%の電力を作ることができるという試算を発表しています。2030年までの早い時期に、私の州では50%以上を風力発電など自然エネルギーでまかなえます。昨年まで、私の州では原発促進でした。昨年の選挙で与党は敗北し、今は自然エネルギー推進の立場の党が政治の現場にすわっています。私たちが選んだ州政府は、2020年までに38%を自然エネルギーでまかなうことを決定しました。2050年までには86%までに広げる目標を定めました。フライブルグでも山の上に風力発電所が建設されていて、二万人の使う電力をまかなっています。すでに地方の政治家は、2030年までに各家庭でつかう冷暖房の熱を100%つくると決定しています。
 みなさまも是非、檮原町または私たちの町を訪れてください。
 自分たちのエネルギーは自分たちでつくる時代です。ウラン・石油・石炭などは輸入に頼っていて、それは安定しません。外国からの圧力もあったりするのです。そういうものより自分たちの地域に根ざした自然エネルギーをすすめるべきです。私の住んでいる州では、ドイツで始めて緑の党の出身者が州知事になりました。
 (ドイツの売電、買い取り制度の説明がありましたが、ちょっと不明です。やはり専門家から教えてもらうか、現地にいって学ぶことも重要ですね。)

一部の政治家と東電との癒着ははやく断ち切るべき

  ドイツの企業は、嵐山のような小水力発電はやらないし、やっても40年くらいで手放します。自然エネルギーを普及するには政治の協力が不可欠です。東京電力のような巨大企業が電力を支配することには法律で禁止または制限すべきです。地域で自主的にとりくめるようにすることが重要です。私も驚いたのですが、東京の国会にいる政治家たちの一部は、東電と完全に癒着(結婚状態)しています。この状態を早く断ち切って、まっとうな道に進んでいただくことが重要です。四分の三以上の日本の女性は原発に反対しています。しかし、この意見を反映できる政党はまだごく少数派しか占めていません。かんじんの力を持った大きな政党は、この声を拾えていないということは重大問題と言わざる得ないのです。

 

残念な日本のメディア
 私たちは、教員、宗教関係者、様々な人と手を結んで、与党・野党関係なく、規模の大小関係なく、すべての政党に声をかけ提言を行ってきました。学生時代、自然科学を学び、放射能について原発関係者に質問してきましたが答えはなかったのです。それで、原発政策ではいっしょにやらないと誓いました。原発を批判することはとても重要です。しかし同時に他の選択肢を示すことが重要です。1976年からOEKO-MESSE(エコ見本市)を行っています。毎年500~5000人の見学者が訪れます。MESSOには150人以上のメディア・ジャーナリストが訪れ、OEKO-MESSEを全ドイツに伝えています。しかし、日本に来て大きなメディアを見ているとたいへん残念です。かんじんの自然エネルギーに関する情報を伝えていない。ドイツの方が日本メディアより正しく情報を伝えています。

自然エネルギーは雇用と地域経済にも大きな助けに

  勇気づけられたこともあります。青木さんという女性が私の研究所を訪れ、原発と自然エネルギーについてかなり突っこんだ分析・研究をされ論文を発表されました。青木さんは自然エネルギーが将来に渡ってドイツで重要な雇用の場となり、地域経済にも大きなたすけになるという論文を出されたのです。

シュルツさんに関するデーターは www.innovation-academy.de  をご覧下さい。
シュルツさんへのアクセスは schulz@innovation-academy.de へ少なくとも英語でお願いしたいと言うことでした。

…………ふるさと再生京都懇談会取材班レポート20120317…………

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