福知山のソーラーシェアリングの取り組みに学ぶ

福知山市では、市民有志が再生可能エネルギーの普及と地域振興をめざして、「福知山再生可能エネルギー市民研究会(FSK)」を立ち上げ、営農と太陽光発電を両立させる「ソーラーシェアリング」の取り組みをすすめています。

当懇談会では、926日(土)、FSK事務局長の山本賢二氏、ソーラーシェアリングを扱う事業者の三恵エナジー(株)の久保勝氏の案内で、実証実験場や本稼働した農地を視察するとともに現地での懇談を行いました。取り組みには現地のFSK会員の皆さんも含め15人が参加しました。

最初に訪れた岡ノの実証実験場は住宅地の一画にあり、530㎡の宅地(テスト施設のため農地ではない)に147枚のソーラーパネル(太陽光を通すためパネルの縦幅は半分・中国製)が3.5mの高さに35度の角度(降雪を考慮)で設置されていました。発電容量は14.7kw。遮光率は35%で、地上にはサツマイモとアシタバが植えられていました。支柱の間隔は5m(農業機械等が通せる幅が必要)で、すぐに農地に戻すことが可能なように、基礎工事で固定することは許可されないため(鉄板を入れて補強することは可)、支柱は地中15mの深さまで埋め込まれていました。(昨年の台風時なども含め)強度についても特に問題はないとのことでした。この施設は12月前(視察時)に設置され、当時で総工費は約700万円(現在価格600万円相当)、固定買取価格は36/kwh、月平均の売電収入は約5万円で、計算上は約10年程度でペイすることになるそうです(ただし、今年7月からの買取価格は27円に下がっているためこれから設置する場合の比較にはならない)。

次に、今年7月から稼働した長田段の大西適さんの農地を視察しました。約60坪ぐらいの畑に108枚のパネル(発電容量10.8kw)が、40度の角度で設置されていました。遮光率は35%。大西さんの説明では、買取価格の低下で売電だけで設置費用をペイするには1718年(税負担等考慮すれば20年近く)かかるとのことで、ブルーべーリー栽培のための遮光ネットがわりですと笑っておられました。

視察後は、FSKの活動報告やソーラーシェアリングの仕組み、メリット、手続き、普及の現状と課題などについての報告を受け、懇談を行いました(字数の制限で内容は略)。

ソーラーシェアリングは、現状の制度の中では、長期にわたる資金の回収と営農の継続が前提となるため、売電だけで収入を得ようとするには不向きで、農業の継続(後継者確保含む)と再生可能エネルギー活用へ熱意を持ち、パネルによる遮光を生かした栽培に適した作物を選ぶことが重要だと思います。また、地域の小規模で分散的な農業での活用に適しているように感じました。さらに、普及のためには、政策転換により後退している再生エネ普及に向けた国や自治体の積極的支援の必要性も感じました。

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