2013年3月30日(土)~31日(日)

亀岡の自治の心意気を再発見

ふるさと再生地域懇談会in亀岡 現地レポート

今回の懇談会の案内人は高向吉朗(亀岡市)世話人です。

■3月30日(土)

保津地域を視察

◇JR亀岡駅正面集合…13:00>保津地域視察<駆け足でしたが、水害地域のまちづくりがどのように進められたのか、今のまちづくりのめざす姿など天候にもめぐまれ、直接見て参考になりました。

「農事組合法人ほづ」との懇談

 懇談には酒井理事長、吉田副理事長が出席されました。理事長が農事組合の歴史やとりくんできた思いをあいさつをかねて話されました。吉田副理事長からは資料にもとづく説明を受け、懇談を行いました。懇談の後農地組合の倉庫を見学、立派な農業機械が揃えられ、よく使われている状況などのお話も聞けました。

吉田理事長のお話

  保津のまちづくりは平成13年から熱心にとりくみはじめました。平成16年には若手ばっかりが集まって「ビジョン懇談会」いうのをやっています。10年たちましたから若くないメンバーになりましたが。平成13年からなにをやったかというと、保津っ子祝い金と祝い米というものです。そのころは振興協議会だったのですが、子どもさんが生まれたら自治会から1万円の祝い金を出す、農振協から30Kgの米を出します。3人目の子どもができた時には自治会から10万円出す、お米は60Kg出します。米は3人目が小学校に上がるまで毎年60Kgづつ渡します。現在21人に出ていますが、その内3人目が6人です。そんなことで、人口をなんとか増やしたいという思いがあってやっています。私は農業委員もやっておりますので、人口が増えることならなんでもやると、家を建てると言われれば「どうぞ」とやっていますが、それでも人口が減ってきています。

 

 高齢者が多くなっていますので、高齢者の方々に心ゆくまで農業をやっていただけるようにと受け皿を作って、元気なうちは思う存分作って下さいとやらしてもらっています。ふるさと再生ビジョン懇談会から、水端(すいたん)というワーキンググループにも入りまして、下流改修で河幅が150mあったのが300mに増え、河川敷のなかに田んぼをたくさん作りました。水害が少なくなるようにということで考えています。この辺は嵯峨嵐山の整備ができないとダメなので下流の整備もお願いし河幅を広げてきました。

 

 保津町での宝探しのワーキングショップもしました。どんなもんが売りになるか聞いて、「保津川水端(すいたん)農園プラン」という小さなグループなのですがやってきました。それがおもしろいことやっているとで人伝えに広がりまして、保津町以外の人がこうしたらどうやということで、どんどん町の開発ができかけているということになっています。保津橋を渡ったところにビニールハウスがありますが、あれが水端プランでして、あそこを農園にしています。農地を全部かすと不動産業になるので、堆肥を入れて返していただくという水端プランができまして、2月くらいからお貸しするということでやっています。

 

 面白いことをいろいろやっています。婚活とか、東洋大学が朝霧ツアーとか。12月にやるのですが、ちょうどその時だけ霧がなかったりしました。それでも2日目など続いています。今年もたぶんやられると思うのですが、その中には立命館大学や花園大学の先生方やらにもアイデアを出してもらってやっています。今後ももっと発展させていきたいと思うのです。宝探しということで、「ふるさと保津」という本も「保津百景道しるべ」というものもできています。あとハイキングコースが4コース、それから160本の看板にQRコードがついていますので携帯でとれるようにもなっています。心ない人がおって、看板をほかしたりが大変多いのです。

 

 私は、自治委員も兼ね農振協の会長もやってますが20くらいの役をもたしてもらっています。地域のことは多くの役をしなければなりません。みんなで良くしたいと思っています。

吉田副理事長からの説明

  • 農事組合の機構、事業、沿革などを資料に基づいてお話しいただきました。              http://www.myfavorite.bz/hozu/pc/contents22.html
  • 私が小さい時に家が流されるのを見ましたが、この地域は毎年2回~3回水害に見まわれ、水が出ていました。平成10年に日吉ダムが完成し水害は少なくなっています。(保津は歴史的に水害との闘いがまちづくりの 基本となっていることを感じさせました)
  • アユモドキの生息地で、農業体験の田んぼに住んでいます。(自然を大切に、外部からの人たちも集まれる工夫を感じましたが、諸事情でひまわりやコスモス、朝市などは休憩しているようです)
  • 鶏の飼料用米のとりくみをやっています。また、米の色彩選別機を設置し、ブランドとしての一等米にするために品質管理を厳格にしています。安全・安心の農業生産物エコファームのとりくみも今後の課題です。
  • 現在、オペレターが60人、農家戸数338戸、理事7名、監事1名、職員5名の体制です。様々な補助事業を受けています。農業機械も組合が持っているもの、農振協の機会のリースなど活用しています。部分委託事業は 経済的に良い仕事です。
  • 若者に展望の持てる農業づくりをめざしたい。

懇談の概要

  • クールベジタブルについて農業者と企業間のCO2の排出量取引で、実際は㌧あたり1500円で農業としてはペイしない。今は、クールベジタブルというシールを企業に買っていただいて、生産者はそのシールを貼って出荷しています。認証は亀岡市の農業公社が責任を持ってやっています。協力企業は京都銀行とかダイワハウスとかです。シールの貼ってある商品は一般より早く売れます。こうしたエコのとりくみに自分も参加しているいう意識が働くのかな。 
  • オペレターの賃金は時給で1400円、自分の草刈り機使用で1300円、法人の機械だと1200円というようにしています。なかなか、集まらないです。保津川下りの船頭さんよりも安いので。 
  • 補助金を出してもらえれば安定した農業ができます。TPPやるのだったら欧米並みに補助金を出してもらわなければ。レアメタルのように出さへんといわれたら困るでしょう、食料は。日本でつくれるように補助金を出すの はあたりまえです。持論ですが。
  • できるだけ借金は残さず、様々な人がおられるので農業振興協会も残して、若い人が働く場を作っていくことが、法人化したメリットです。

■3月31日(日)

亀岡の街並み散策

 地元の喫茶「クニッテル」で朝食(桜がきれい)~亀山城周辺の街並み散策で改めて亀岡の歴史を実感しました。

 城下町の旧町内は、塩屋町、紺屋町など縁のある地名や街並みがが残されており、各町内には鉾の保存の蔵もあります。

保津川遊船企業組合との懇談

 保津川遊船 工藤理事長と懇談させてもらい、企業組合としての保津川遊船の苦労や果たしてきた役割、今後への決意など貴重なお話でした。

工藤理事長のお話

 保津川下りの船頭は、もともとは4つの集落の世襲でやっていましたが、最近は亀岡市在住者や南丹市の一部からも来られています。もっと広い地域からや女性の応募もありました。運営は企業組合で、みんなが株主(出資は35万円)です。定年は75歳(退職金は中退金)、賃金は1回いくらで金額の差はありません。技術を覚えるのに6年、一人前になるには10年といわれています。一隻には、年配、中堅、若手の3人で乗っています。 船がとおる川筋には30億年前のプランクトンが入っている貴重な岩がむき出してなった所もあり、川筋の船がとおるところの活用(観光の)できないかと考えています。また、ラフティングは昨年からやり始めました。水遊び、川で楽しんでもらいたいと考えています。

 

 船頭は130名で、40代が多いです。1日に150隻が流れていますが、1日で4回下る時もありました。お客さんの多いシーズンは秋の紅葉だったのですが、最近は夏のシーズンも増えています。しかし、不況で1回3,900円とトロッコ列車600円は、「いたい」と思う人もあろうかと思います。冬は客が少なく、賃金が4000~5000円の日もありますが、最低賃金を8000円と決めていますので、組合は大変です。保険は健康保険と厚生年金です。

 

 保津川下りの集客のポイントとして、どれだけサービスが出来るかだと、船頭の接客も良くするように言っています。修学旅行もターゲットに安全ということで売り出しています。外国の方も多くなっています。

 

 船の耐用年数は、木造からFRPになってぐっと良くなり、20年くらいを目処にしています。保津川下りのアピールに行政とは目線が違うように感じます。農家との連携(船の駅に市場など)を考えています。130人の船頭の生活を安定させたいし、より豊かにしたいと町の便利屋さんみたいな仕事も受けるよと発信していきたいと考えています。

保津川下りを体験

 天気も良くなってきて水量も丁度良く、両岸の桜のつぼみが赤らんでとても気持ちが良かったです。船頭さんの巧みな竿さばきや軽妙な語り口も楽しめました。嵐山に着いたら桜が見頃でした。

 あなたも是非保津川下りを。

…………ふるさと再生京都懇談会取材班レポート20130331…………

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