「普賢寺ふれあい駅」

「普賢寺ふれあい駅」は明日現地を見てもらいますので分かりますが、11年やってきました。当初は行政から1円ももらわずにやってきました。平成14年(2002年)4月10日からやりました。まず地域の場所借りて、テントで平成18年まで雨漏りがする、冬は雪がバサッと落ちるような状態でした。売り上げの10%出してもらって運営しています。施設をつくるのに1250万円集めました。返せないのですが、「あんまり返せ返せ言わんといて、もっと儲けてくれ」と言っています。当初は全体の売り上げが5000万円くらいのが、今は9500万円くらいの売り上げです。だんだん増えて1億円超すかなというときに厚生年金会館がポシャッてしまって、あそこには1000万円くらい買ってもらっていたのです。それで、ダウンを心配したのですが、週3日やっていた開催日を4日にし、今は5日しています。農家のみんなさんは勤めの人と同じだけ働いていることになります。月・金が休みで朝8時から午後3時までやってます。私も毎日6時半には荷物を持ってきます。それからなすびを取りに行っています。

あまり宣伝はしません。直売所というのは口コミで宣伝してもらえないとお客さんに来てもらえない。イベントをやる時は新聞に書いてもらったりしていますが、あえてチラシを流したりすることはしていません。
 ちょっとづつ儲かるんです。多い人やったら400万円くらい売れます。加工品をやると一つの品物、例えば鯖寿しなんか1600円くらい、それだけ収入があります。ぼくは100万円くらい(なすは安いから)。10万円とか20万円くらいしか売らない人も、ここに来るのが楽しいんです。年に3回くらい大きな祭みたいなイベントをやるんです。祭をやらんと元気がつかない。地蔵盆にもイベントやりましたが、焼きそばから生ビールから全部売れて、「有名」な歌手にも来てもらって、カラオケもやるんですがやってるもんもお客も元気づく、1000人くらいきてくれました。祭というのは地域の子どもの少ないところでも、雨が降ろうがなんでも良いのですが、どこからか涌いたように来るんです。よう考えると祭をやるのは人間だけなんです。どの民族もやるんですから、伝統文化・伝承文化を取り入れてやってます。こうしていると病気にならないです。うつ病やいう人が治るんです。80歳超えた人が元気に来てもらってます。
 幸いなことに一番若い人が19歳元気に来てもらってます。二世代・三世代がちょっと育って来ています。しかし、人口はどんどん減っています。増やせない。農業振興地域という指定で、分家は建てられてもあたらしく入って来て家を建てたいという人は建てられないのです。ですからどんどん出て行く。学校の子どもが一人やと育有会の役も毎年やらんならんし、そんなこといややと子どもは帰ってこない。10年後、年寄りばっかりになってしまう、今後どないなるかいっぺん考えてみようなないかとアンケート取りました。「跡取りの都合はどうですか」と聞いたら半分以上がないということです。「どうしたらよいか」誰かに作ってもらうか、みんなで作るか、いわゆる集落営農するしかないだろうという話が出てきました。それをとりくもうということになるのですが、やはりそこにはリーダー的に、今日はそこの田んぼに行って下さいとか、今日はここんとこが大事ですとか、いついつ草刈りに出て下さいとか、そういうことを言う人が出てこないと、段取りがなかったら百姓は動かないです。
 そういう人をどう育てるかということでやっています。私自身もライスセンター・ファームを立ち上げました。田植えも籾巻き、乾燥・稲刈りまで出来る、そんな機械の導入もやっています。そのメンバーも10年やっているとみんな10歳年をとるんです。30Kgの袋が持てなくなる。手が痛うてできないので便利な機械を使ってなんとかやっているような状態であと5年くらいだろう、その前に地域で跡取りをつくらなくてはならないと思っています。
 農業の実態ですが、山城地域では農地は4056ha、そのなかで646haが荒廃地です。田辺76ha、八幡18ha、久御山16ha、宇治17haで田辺が多い。土地持ちの非農家は田辺27ha、八幡30ha、久御山5ha、宇治9haと、田辺は荒廃地が大きいのと後継者少ないのです。後継者の中で比較的がんばっているのが、八幡、久御山なんです。宇治以南で1000万円以上農家として売り上げているのは田辺8人、久御山42人、八幡30人、宇治33人で、宇治はお茶が、特に和束の方へ行ったらお茶が多いです。農家で1000万円以上といえばかなりの売り上げと仕事も夜も寝ないで休憩もほどほどにやらないといかないです。人を使ったら赤字になる。農家いうのは厳しい時代を迎えています。
 農家の平均年齢は田辺で68歳です。北部に行くと70歳超えているのではないかと思います。30歳~50歳が55人です。八幡は87人、久御山が95人、宇治65人で、70歳以上が505人、八幡276人、久御山236人、宇治251人でなぜか田辺は年齢だけ高いのです。原因があります。八幡・久御山にはたくさんハウスが建っている。田辺には観光農園が一つもない。井出にはフルーツラインがある、城陽には芋掘り、精華町はいちご、八幡には梨・いちご、そんなものがあります。それで土地だけが一番高く売れて一反売れば一億円ポッと入るんですから、汗流してやろうと思いません。「おれの田んぼだれか作ってくれへんか」と地域の会議で出てきます。「土地の責任は地主が持つもの」と言っています。残った人が責任持てないわけで、都会の中では空き家になればあぶないので自治体が代執行やると聞いていますが、農地はそんなわけにはいきません。代執行で草刈ってくれるのわけにはいかないのです。地域みんなでやるということを徹底する意識付けをしないと本当に守れないだろうなと思います。

地域の村がダメになって半分出て行けば残された半分は暮らせなくなります。バスも来てくれなくなる。自分の田んぼに行くにもその間の草刈りまでしなくてはならない。限界集落という話がありますが、団塊の世代が後期高齢者になれば、もし倒れた時に入るところが無いだろうと思います。満杯です。どこで住むのか、ふるさとか子どもの所しかないでしょう。外に出て行った子どもの所に、田舎の年寄りが行っても、ほいほうときないさいと、そううまくはいかない。だから、今からそういう場所でも住める村づくりをやっていかないと大変だと思います。老人会も年がいって人に迷惑をかけるようになると遠慮してやめるんです。何のための老人会やっているんかな、元気な時からみんなでやっていくという意識・組織づくりもやっていかないと5~10年後心配です。
 アンケートやるといろいろな意見が出ました。みんなで農地を守るというだけでは充分ではないだろう、もう一方で儲かる農業の道すじをつけておかないと積極的な農業への参加はできないだとうと、加工場に力を入れるとか、特産品をつくるとかに挑戦しています。
 今、百姓の問題ではなく、みんなの問題として食糧問題を考えないといけない。国もいろんなことを言っていますが、自給率を上げるということができていません。農業で若い人がやりだしている施設的農業は一定の規模があれば儲かるし生計は立ちます。しかし、食糧の確保ということから見ると穀物とかをやらなければいけないのです。農地は減っているかもしれませんが、土地は減っていません。大気の乾燥化や自然破壊、環境が大きな影響を持っていて、自給率を高めなくてはいけないと思います。役所と農協がもっと多角的に、きめ細かく話し合って有機的なつながりを強め、地域の農業が前にすすめるようにする必要があります。

 

ふるさと再生京都懇談会取材班レポート20120901-02

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